
SamplerとSimpler【サンプリング用インストゥルメント】
Ableton Liveでサンプリングを行う方法はいくつかありますが、この記事では最もポピュラーで汎用性の高い「Simpler」を使ったサンプリングについて基本を解説していきます。
Ableton Liveには、名前の似た「Sampler」というインストゥルメントも存在するため、「結局どっちを使えばいいの?」と迷う方も多いでしょう。
まずは、この2つの違いと関係性を簡単に押さえておきましょう。
Ableton Live Suiteのみで使用可能な「Sampler」

Samplerは、Ableton Live Suiteでのみ使用できるフルバージョンのサンプラーです。
使いたいサンプルをドラッグ&ドロップで読み込み、細かなエディットや高度なコントロールを行うことができます。マルチサンプリングや詳細なモジュレーション設定など、本格的なサウンドデザインにも対応しており、かなり奥深いインストゥルメントです。
その分、パラメーターも多く、初心者には少し複雑に感じる部分もあるかもしれません。
Ableton Live Liteでも使用可能な「Simpler」

Simplerは、Ableton Live Lite / Intro / Standard / Suiteのすべてのエディションで使用できます。
こちらもサンプルをドラッグ&ドロップで読み込み、サンプリングに必要な基本機能や標準的なパラメーターを操作可能です。
簡単に言えば、Samplerの簡易版のような立ち位置ですが、実際にはSimplerだけでも十分すぎるほど本格的なサンプリングができます。
特にビートメイク用途では、むしろSimplerの方が直感的で扱いやすい場面も多いです。初心者目線で言えば、まずはフル機能のSamplerに手を出さなくても問題ありません。
Simplerの再生モードは3つ

Simplerの基本をチェックしていきましょう。
Simplerには、用途に応じて切り替えられる3つの再生モードがあります。
再生モード
- クラシック再生モード
- ワンショット再生モード
- スライス再生モード
クラシック再生モード
クラシック再生モードでは、ノートが入力されている間、音が再生されます。また、[Loop]ボタンをオンにすると、ループして再生されます。
音はC3を中心に入力されたノートに対応して音程が上下。ポリフォニック再生も可能なので、コードやメロディを作ることができます。
ワンショット再生モード
ワンショット再生モードでは、ノートを入力すると、そのサンプルがまるまる再生されます。ドラムヒットなど、短いフレーズのサンプルを使うときにこのモードを使います。
このモードも、C3を中心に入力されたノートに対応して音程が上下します。
スライス再生モード

スライス再生モードでは、上記画像のように、取り込んだサンプルを切り分けて再構築することができます。
Just Blazeがメロディを再構築する様子をしたの動画でチェックしてみてください。(鬼カッコいい)
また、ドラムブレイクをスライスして、ドラムを再構築したりすることが可能です。
この3つの再生モードが理解できれば、基本的にはあとはガンガンいじり倒して、かっこいいフレーズを作っていけばOK。
以下では、実際にサンプリングをする時のヒントやポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
曲のキーに合わせてトランスポーズ

作っている曲のキーに、サンプルのキーをあわせてスライスしたい場合は、トランスポーズすればOKです。
例えば、キーがBマイナーの曲を作っていて、Aマイナーのサンプルをスライスしたい場合、[Transp]を+2stにすればキーがあいます。
単音をサンプリングしてシンセサイザーのように使う

ハードシンセサイザーなどから単音だけサンプリングし、Simplerのクラシック再生モードでメロディやコードを鳴らすこともできます。
Filter、LFO、ADSRなどのパラメータも設定することができ、シンセサイザーでそのまま鳴らすのとはまたひと味違った音作りができます。
クラシック再生モードでは、こちらでトランスポーズができます。MIDIキーボードで演奏したり、打ち込みをするときは、サンプリングした音をC3にあわせると、やりやすいですね。

ちなみにこれは、Calvin Harrisもよく使う手法のようです。
I'll often sample a synth sound through the mixer and turn it into a new instrument in Logic's EXS24, because that gives me a lot more control over it.
訳: よりコントロールしやすくなるので、私はいつもシンセのサウンドをミキサーを通してサンプリングし、LogicのEXS24で新しい楽器のように使います。
DAWはLogicでサンプラーはEXS24を使っていますが、サンプラーで操作する独特な感じがお気に入りとのこと。
MIDIコントローラを接続【MPCのようにビートメイク】
ハードウェアのパッドを叩いて打ち込むのも、サンプリングの醍醐味です。
AKAI MPD218はバックライト付きパッドを搭載したMIDIコントローラー。名機MPCのメーカーAKAIが作る、MPCと同じ16パッド。さらに、Ableton Live Liteが無料で付属しています。*時期によって変更される場合もあります。
もし、これからAbleton Liveを手にいれる段階で、サンプリングなど、やりたいことが決まっているなら、このような用途に合ったバンドル製品を最初に買うとお得です。
ドラムラックでMPCのようにドラミング
こんな感じでフィンガードラムをやりたい場合は、Drum Rack (ドラムラック)を使います。
ブラウザのインストゥルメントから空のドラムラックをMIDIトラックに挿入し、使いたいサンプルを、画像左のパッドのようになっているところに割り当てていきます。

このパッドひとつひとつに、Simplerが入る仕組みです。
A2など音名が表記されていますが、そこのMIDIを打ち込めば、そこの音が出る、ということです。
手持ちの曲ファイルやレコードなど色々なネタをサンプリング
コンピューターに入っている曲ファイルもドラック&ドロップして、Simplerでサンプリングが可能。
もちろんレコードから取り込んだ曲もOKです。レコード独特の風合いは、やはりサンプリングミュージックにマッチします。ぜひいろいろ試してみてください。
ひと口にサンプリングといっても、方法は本当たくさん。いろいろチャレンジして、自分らしいスタイルを見つけるのがgoodです!
サンプリング素材は整理しておこう
さあ曲作りしようという時、スッとアイディアを形にできるようにサンプリング素材はきちんと整理しておきましょう。効率化やクリエイティビティに必ずつながります。
確認しておきたいポイントを下記のページにまとめているのでチェックを。
基本をおさえればAbleton Liveでのサンプリングは手軽で簡単
ここまで、Simplerを使ったサンプリング方法について基本をザッと紹介してきました。
最初は少し難しそうに見えるかもしれませんが、実際のフロー自体はとてもシンプル。一度覚えてしまえば、直感的にどんどん制作を進めていくことができます。
やはり、Ableton Liveの「触りながらアイディアを形にできるシステム」は本当に優秀です。
すでにある程度Ableton Liveに触れているDTMerなら、このページの内容を参考にするだけでも、すぐにサンプリングを使ったビートメイクや曲作りを始められると思います。
一方で、もっと初歩的に「Ableton Liveに慣れる必要があるかも…」と感じた場合は、まず下記の入門記事からぜひチェックしてみてください。
Ableton Liveの基本構造や、使う際の考え方を整理しているので、サンプリングについても理解しやすくなるはずです。

