MRhythmizer - MeldaProductionをレビュー
MRhythmizerは、MeldaProductionがリリースするサウンドデザイン系マルチエフェクトプラグイン。
TIME・VOLUME・FILTERのシーケンスをそれぞれ自由に描くことができ、スタッター・ゲート・ダッキング・リピート・スクラッチなど、さまざまなエフェクトかけることが可能。
グリッチ系のおもしろい音作りをガンガンしたい!
というDTMerは要チェック。
シンプルな打ち込みやサンプルでも、MRhythmizerを通すとぐいっとオリジナルなデザインのサウンドに仕上げることができます。
また、プリセットをサクサク切り替えられるGUIもいい感じで、
直感的にいろいろなエフェクトを組み合わせたい!
という時にも、サウンドデザインが楽しめます。
MIDIコントローラーでの操作にもバッチリ対応しているので、ライブパフォーマンスにもgoodです。
MRhythmizer - MeldaProductionのプリセット
上記画像はMRhythmizerのグローバルプリセット。こちらから選ぶと、全体のシーケンスやパラメーターなどがまとめて変更されます。
スクラッチ系のプリセットまでいい感じに作られており、すぐにかっこいいスクラッチパターンを鳴らすことができます。また(try enabling a modulator)とあるプリセットは、モジュレーションを有効にして遊んで見るのもおもしろいです。
さらにプリセットは各シーケンスバンクごとやMODULATORごとにも選択することも可能。そして各所に設置されたランダムボタンで、思いもよらないサウンドを見つけてみるのもgood。
このあたりはMeldaProductionプラグインならではのおもしろいところですね◎
MRhythmizer - MeldaProductionの使い方
さて、ここからはMRhythmizerの主な機能や使い方について説明していきます。
上記にある公式のチュートリアル動画もあわせてチェックしてみてください。(GUIがちょっと古いですが)
MRhythmizerはプリセットだけで遊ぶのも充分おもしろいですが、がっつり使い込んでも楽しめるプラグインです。
TIME
SEQUENCESパネルでTIMEを選択すると、時間軸のサウンドコントロールが可能。
グラフの横軸がDAW上での実際の流れを表しており、デフォルトでは4拍ごとにループ。
そして縦軸は実際の流れに対して、何拍戻って再生されるかを表しています。
ちょっとこのあたりは読んで理解するのがむずかしいポイントですよね。実際にMRhythmizerをコントロールしてみるのがいちばんわかりやすいのですが…。
ということで、下記の動画にはもっとも基本的なTIMEコントロールを、4パターンで説明してみました。ひとまずここをおさえると理解がしやすいと思います。
TIMEの基本的な4パターン
Aの水平線は、サウンドをリピートします。2/4拍時点で、2拍もどって2拍が繰り返されます。
Bの斜め下がり線では、サウンドがスローになります。4/4拍時点で2拍目までの再生とするため、サウンドが半分のスピードになります。
Cのように-4拍をこえると、サウンドがリバースします。8/4拍時点で-8拍なので、4拍進んだところでそこがリバースされて8拍目に頭にもどるイメージ。
Dの斜め上がり線では、サウンドが早送りされます。2/4拍時点で2拍もどりますが、4/4時点ではそこにもどっていなければならないので、スピードアップします。
まずは、これらの基本的な動きが組み合わされていることをイメージできるといいんじゃないかと思います。このなかに曲線が使われたりすることで、スクラッチ的なサウンドになったりするわけです。
VOLUME
SEQUENCESパネルでVOLUMEを選択すると、シーケンスグラフの縦軸が音量のコントロールとなります。
上記画像左上のVOLUMEセクションでは、ボリュームコントロールの調整をすることが可能。
DEPTHノブでは、シーケンスグラフのコントロールが実際に適用されるレベルを。Attack・Releaseでは、シーケンスグラフの反応を調整できます。
FILTER
さらにFILTERもコントロール可能で、シーケンスグラフは縦軸がフィルタリングのパーセンテージ。上記画像上の方の[Enable]ボタンで、フィルターコントロールがオンになります。
ボリュームのコントロールと近い部分もありますが、また違ったディティールでサウンドを作り込んでいくことができます。
上部のFILTERセクションでHIGH-PASS・LOW-PASSのフィルター周波数を決定。こちらもAttack・Releaseタイムを調整可能。
MIDIでシーケンスを切り替えできる
それぞれのシーケンスはC1〜B6までMIDIが割り当てられているので、キーボードなどのコントローラーで切り替えが可能。
直感的にいろいろ切り替えてサウンドメイキングしてみたり、ライブで使ってみたり、いろいろと遊べます。
なお、右上にあるピンク色の[Link sequences]をオンにしておくと、Time・Volume・Filterのそれぞれがあわせて同じ位置のシーケンスに切り替わります。
シーケンスグラフ
もちろんシーケンスグラフはプリセット以外にも自由に描くことが可能。
ダブルクリックでポイントを追加したり、消去したり。斜め線をカーブさせることもできます。キーボードのCommandを押しながらドラッグするとペンツールも使えるので、直感的にいろいろ描いてみるのもおもしろいです。
さらに右クリックをすると、PROPATIES OF ALL POINTSウィンドウがひらきます。
こちらではグラフをランダマイズしたり、反転したり、さまざまなエディットオプションが表示されます。
CURVATUREセクションのボタンを使えばグラフ全体をのカーブを変更することも可能。ワンタッチでグラフ全体をギザギザにしたり、階段状にしたりすることができます。
ADVANCED
ADVANCEDセクションでは、シーケンスの長さやグリッド表示の調整などが可能。
Triggeringでは、シーケンスをワンショットにしたり、シーケンスの切り替えを予約できるようにしたりすることができます。
GENERAL
GUI上部のGENERALセクションで注目はSCRATCHノブです。
こちらを使うと、シーケンスに関わらずサウンドを巻き戻したり早送りされ、スクラッチサウンドを鳴らすことが可能。DAWでオートメーションを書くこともできます。
DRY/WETノブでは原音とエフェクトがかかった音をまぜられます。
TEMPOノブはデフォルトでDAWのBPMとシンクしていますが、別にBPMを設定することもできます。また、Speedセクションにてシーケンスのスピードを1/4〜4倍にすることも可能。
さらにSHUFFLEノブを使えば、シーケンスグラフのコントロールにノリをくわえることができます。
MODULATORでコントロールもおもしろい・メーターも搭載
MRhythmizerにはモジュレーターも内蔵。
シーケンスの切り替えや、さまざまなノブなどをモジュレーションコントロールすることができます。これまた色々アイディアがふくらむやつ。
さらにメーターも表示でき、Input/OutoutボリュームやWidthを視覚的にチェックしながらの音作りもしやすくなっています。
MRhythmizerMB - MeldaProduction【マルチバンド版もあり】
マルチバンドバージョンのMRhythmizerMBもあり。
サウンドを最大6バンドに分け、各バンドへ上に書いたMRhythmizerの各機能を適用することが可能。
たとえば、ハイハットは細かくきざんでリピートしつつ、キックドラムはリバースするみたいなことができるなわけです。
うまく使わないとサウンドの輪郭がぼやっとしてしまうこともありますが、とてもわくわくする高機能なプラグイン。音作りの幅が無限大にひろがります。
MRhythmizerとGross Beatを比較
MRhythmizerに近い機能のImage Line Gross Beatを比較すると、こちらはFILTERコントロールがありません。しかし、TIME・VOLUMEのシーケンスグラフを自由に描きやすいというあたりがポイント。
GUIの感じと奥深さで個人的にはMRhythmizerのほうが好きですが、人それぞれかなと思います。
*追記: 現在、Gross BeatはFL Studio専用エフェクトとなっています。
ダッキングエフェクトにフォーカスした記事もまとめています。多機能からシンプル系まで、特徴いろいろ。
MRhythmizer - MeldaProductionのセール情報と購入方法
MRhythmizerは単品のほか、バンドルでの購入が可能。
セール期間は各ストアでずれていることがあります。限定キャンペーンもチェックを。
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それぞれ、年に何度かセールになっています。基本は50%オフが多いですが、たまにそれ以上の割引となる場合もあります。
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下記のバンドルには、MRhythmizer・MRhythmizerMBがどちらもふくまれています。
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