Ozone 12 レビュー

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Ozone 12 - iZotopeをレビュー!【Elements/Standard/Advancedの違いも比較】

シュンナリタ
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Ozone 12をレビュー!Elements・Standard・Advancedの違いを比較しながら機能と使用感をまとめます。 #iZotope

Ozone 12のレビュー【Elements/Standard/Advancedの違いを比較しながら】

Ozone 12はiZotopeのオールインワンマスタリングプラグイン。

AIがパラメーター設定をサポートする『Master Assistant』と、高品質なエフェクト群を搭載した人気の定番ツールです。

2025年9月リリースの最新バージョンではStem EQ・Bass Control・Unlimiterモジュールなどが追加され、2ミックス全体をていねいに、そして大胆に、まるでオーバーホールするかのような処理が可能となりました。

さて、Ozone 12には3種類のエディションがあり、上位になるほど使える機能が増えます。

以下では、各エディションの違いを比較しながら、Ozone 12のレビューをまとめていきます。毎回ワクワクさせてくれる進化を遂げてきたOzoneシリーズですが、今回も要注目です。

Stem EQ【Advancedのみ】

Ozone 12のStem EQ

Ozone 12 Advancedに新しく搭載されたStem EQは、ボーカル・ベース・ドラム・その他を個別でイコライジングするモジュールです。

従来のStem Focus機能やMaster Rebalanceモジュールでも近い作業は可能でしたが、ワークフローの中でスムーズに、より細かくていねいな処理が行えます。

サウンドの変化はとても自然。ミックス全体の雰囲気を崩さずにバランスを整えることができます。

Unlimiter【Advancedのみ】

Ozone 12のUnlimiter

Ozone 12 Advancedに搭載されたUnlimiterは、過度にコンプレッションされたサウンドを復元する新モジュール。

トランジェントがくっきりと持ち上がり、失われたサウンドのパンチを取り戻すことができます。左下の[Learn Threshold]ボタンを使えば、自動でスレッショルドが設定されるので、あとはAmountノブで適用量を決めるだけでOKです。

依頼を受けたマスタリングなど、2ミックスが手元にない状況でもトラックをリコールできる便利なツール。質感の高いトランジェントシェイパーとして、単体プラグインでもガンガン使えそうです。

Bass Control【Standard/Advancedのみ】

Ozone 12のBass Control

Bass Controlは、Ozone 12 AdvancedおよびStandardに搭載されたローエンド処理用の新モジュール。

指定した周波数以下の低域を、Balance・Punch・Sustain Power・Peak Controlの4方向から処理するのですが、まるでミックスを手直しするような感覚で音作りが可能です。

Punchノブを上げたときの効果は、近年のヒット曲でよく耳にする、高域を抑えて瞬間的な圧力を押し出すキックやサブベースをサクッと表現してくれます。

IRC 5【Standard/Advancedのみ】

Ozone 12のマキシマイザー

IRC 5は、Maximizerモジュールに追加された新しいアルゴリズムで、Ozone 12 AdvancedおよびStandardで使用できます。

ラウドネスとクリアさの両立がさらに進化し、現代的な音圧と迫力を表現可能。ゲインリダクション時にキックやベースが「グチャッ」と潰れてしまうような歪み感が、極めて少ないです。近い特徴を持つリミッターとしてPro-L2もおすすめですが、IRC 5はより全体が前に出てくるようなニュアンスのパンチを与えてくれます。

既存のマキシマイザーアルゴリズムもかなり優秀ですし、IRC 5の追加によって、またひとつ"使える"バリエーションが増えました。

Master Assistantのカスタムフロー【Elements/Standard/Advanced】

Ozone 12のCustom Master Assistant

Ozone 12の全グレードで、Master Assistantの動作を柔軟に事前設定できるようになりました。

Hyperpop・K-pop/J-pop・LoFI・Metalなど、プリセットされるプロファイルのジャンルが増え、使用モジュールの指定やターゲットLUFSの設定機能も追加しています。

一段と効率化されたAIシステムで、理想とする楽曲の仕上がりを素早く形にしてくれます。

Ozone 11までに搭載された既存機能

Ozone 12は、前バージョンまでに搭載されていた既存機能を引き継ぎつつ、ここまで紹介してきた新機能が追加されています。

Ozoneの既存機能一覧

  • Transient/Sustain・Delta【Standard/Advancedのみ】
  • Stem Focus【Advancedのみ】
  • Master Assistant: 自動マスタリング【Elements/Standard/Advanced】
  • Clarity【Advancedのみ】
  • Maximizer【Standard/Advancedのみ】
  • Stabilizer【Standard/Advancedのみ】
  • Impact【Advancedのみ】
  • Imager【Standard/Advancedのみ】
  • Master Rebalance【Standard/Advancedのみ】
  • Low End Focus【Advancedのみ】
  • Equalizer【Standard/Advancedのみ】
  • Match EQ【Standard/Advancedのみ】
  • Dynamic EQ【Standard/Advancedのみ】
  • Spectral Shaper【Advancedのみ】
  • Exciter【Standard/Advancedのみ】
  • Dynamics【Standard/Advancedのみ】
  • Vintageエフェクト4種類【Standard/Advancedのみ】
  • Tonal Balance Control 2【Advancedのみ】
  • トラックリファレンス【Standard/Advancedのみ】
  • Codec Preview【Advancedのみ】

ステレオ感の調整に欠かせないImagerや、トーン作りの要となるExciterは、長年定評のあるエフェクト。

StabilizerやImpactは、マスタリング段階でミックスをもう一段引き締めたい時に頼れる、先鋭的なツールです。

Ozone 12 Elements/Standard/Advancedの比較【結局どれがおすすめ?】

やっぱりAdvancedがおすすめ。

最大限にOzone 12の良さを発揮することができるAdvancedは、本当におすすめできます。

Ozoneはもはや現代のスタンダードプラグインと言ってもいいでしょう。間違いなく、目指したい楽曲クオリティへの近道になると思います。

まぁ、100歩譲ったとしてもStandardで!笑

マスタリングに悩むDTM初心者が1番気になるであろうマキシマイザーも、Standard/Advancedなら最大限に活用できます。とても高品質です。

自分のミキシングの採点的な使い方も可能。

Standard/Advancedで使えるMatch EQや、自動マスタリングのパラメーターをチェックして、自分のミックスがどこまでリファレンストラックに近づけられたかOzone 12に採点してもらう的な使い方も便利。DTM初心者にとっては、大きな参考材料となってくれます。

Stem EQ・Unlimiter・Clarity・Low End Focus・Spectral ShaperなどはAdvancedのみ。

Advancedには、Ozoneならではのワークフローを革新してくれるような機能がそろっています。

特にStem EQ・Clarity・Low End Focusはおすすめ。これらを使えるのはAdvancedだけです!

Advancedは各エフェクトが独立したプラグインとして使用可能

これ、ここまで来ての解説ですが、重要なポイント。

レビューしてきたように、Ozoneはひとつひとつのエフェクトが高品質。EQやDynamicsを単体で、重要なトラックにはガンガン使っていきたいところです。

Advancedであれば、各エフェクトを1つずつのプラグインとして、PCに負荷をかけずサクサクと使うことができます。

Ozone 12 ElementsはAssistant Viewのみ【自動マスタリング】

Ozone 12 Elements

Ozone 12 Elementsについても、まとめておきましょう。

まず、使えるのはAssistant Viewのみ。カスタムフローを含め、自動マスタリングには対応しています。Audiolensを使って、キャプチャーしたさまざまなプロファイルをターゲットとして適用することも可能です。

エディットはシンプルなコントロールだけとなり、こまかい調整はほとんどできなくなっています。GUI右側にあるExtrasセクションのパラメーターは2種類のみ。

Standard/Advancedにはある個別モジュールがあつかえませんから、1つ上位のStandardとも違いは大きいです。もし、DTMを始めたばかりの初心者であれば、とりあえずで持っておいてもいいかなとは思います。

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  • この記事を書いた人
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シュンナリタ

『マタタキベース』でDTM情報を発信中。Moment名義で曲をリリースしつつ、DJしたりしています。長野在住。東京時代は年間200日くらい各所のClubでブースに立ってました。かれこれ15年以上音楽業界の片隅に居ます。プロフィール詳細や経歴はこちら

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